涙堂は、下まつ毛の際にある眼輪筋によって形づくられる、ふっくらとした盛り上がりです。笑った時などにその高まりが強調されます。下まぶたが平坦であるよりは、涙堂があった方が目の表情が豊かになります。魅力的であるばかりか、笑った時に立体感が出ますので若々しい印象を与えます。涙堂はヒアルロン酸を注入して形成します。注入量はご希望に応じてバランスを見ながら注入していきます。
近年、アイドル、タレントの必須条件の1つが、この目の下(まつ毛の際)のふくらみ(涙堂)といわれています。そのため若い方を中心にこの涙堂形成を希望する方が増えています。
言葉が似ているので混乱しがちですがすが、baggy
eye(泣き袋、目袋)とは異なります。泣き袋は眼窩脂肪の前方突出であり、”くま”とも称され、疲れた表情に見えるためマイナスの状態で治療の対象となります。涙堂と目袋は原因も部位も異なり、しっかり区別する必要があります。
この涙堂というのはアジア人に見られる特徴で、西洋人にはほとんど見られません。西洋人と比べて、目が小さく、骨も横に広く平坦で、彫りの浅い日本人の顔では、この涙堂の高まりは表情の豊かさをもたらします。
この下眼瞼縁の高まりの原因は、眼輪筋という筋肉が過剰に発達したことによります。英語では、orbicularis hypertrophy(眼輪筋肥厚)といわれています。笑ったときなどその高まりが強調されます。 この涙堂は、下まぶたのまつ毛下より8mmぐらいの幅が一般的です。
外科手術で、眼輪筋の高まりを自然に見えるように作り出すことは難しく、通常はヒアルロン酸を眼輪筋内に注入して、筋肉自体に厚みを出します。
この涙堂形成の注入は簡単で、約5分で終了します。通常は1回当たり片側0.2~0.3ccのヒアルロン酸を注入します。一回の注入で量を沢山入れると、前に突出するだけではなく、下方向にも広がり、baggy
eyelidsのように疲れた表情となってしまい逆効果です。
理想的な高まりにするには初回注入後1~3ヶ月で、ふたたび0.2~0.3ccの追加注入をされるのをお勧めします。
ヒアルロン酸はこの部位では、注入後に吸収される比率が大変低く、長期にわたって維持されるので、頻回の注入は必要ありません。
涙堂形成術は、ヒアルロン酸を注入するプチ整形ですが、目の下はとても繊細な部位ですので、注入には高度な技術と美的センスを要求されます。
涙堂は、下瞼(まぶた)のまつ毛下より5~8ミリ位の中にあるのが一般的です。当院では、まつ毛の下5~8ミリの幅に極細の針でヒアルロン酸を注入します。注入量は、ご希望に応じて調整がききます。施術中にご自身で注入量を確認して頂けますので思った通りの涙堂になります。
注入するヒアルロン酸は、注入する組織の深さや組織に合った粒子の大きさのものを選択することが重要です。当院では、ヒアルロン酸の特徴を熟知している熟練した医師のみが施術をします。短時間のプチ整形ですが、当院では、痛みに敏感な方や恐怖心の強い方には、無痛の内に終了することができるように、冷却麻酔や静脈麻酔で行い万全の痛みのケアを行っています。